零戦21型を作る その2



今回はコクピット編です。
飛行機の模型では、コクピットというのは見せ場の一つとなるのですが、
このキットでは、約50個ものパーツによって非常に実感あふれる仕上がりとなっています。



実際に作ってみます。 まずはパーツの状態を見ます。パーツにはパーティングラインと呼ばれる、金型の隙間によってできる一種のバリや、 ゲートと呼ばれるランナー(枝)から切り出した部分がありますので、それらをナイフや紙やすりで丁寧に整形します。 その後各パーツの塗装に入ります。 今回のパーツは細かいので、写真のように割り箸を持ち手として使用しています。 割り箸に両面テープを貼り付け、それをマスキングテープの糊面を上にして貼り付け、その上にパーツを固定しています。 塗装にはラッカー塗料を使います。
左:パーツはこのように固定しています。後ろに見えているのは自作の排気集塵装置ですw 右;塗装の図。エアブラシでコクピット色を吹いていきます。 エアブラシ塗装の終わったパーツ。この後細部塗装に入ります。 塗料が十分に乾燥したら、アクリル系塗料でレバーやスイッチなどの細部を塗り分けます。 極細の筆で慎重に塗っていきます。 アクリル塗料はラッカー塗料を侵さないので、安心して作業できます。 その後薄めたエナメル塗料でウォッシングします。 ウォッシングとは、薄めた塗料で全体を塗った後、部分的に塗料を残しながらシンナーでふき取る技法のことで、 汚れた感じや使い込んだ感じを出すことができます。
左:細部塗装とウォッシングをして、部分的にくみ上げた状態。 右:計器はクリアパーツとデカールで構成されているので、手軽にリアルな感じが出せます。
左:機首に搭載される7.7mm機銃。黒を塗った後銀でドライブラシを施すとだいぶ実感が出ました。 右:後部隔壁の後ろに取り付けられる酸素ボンベ。 これらのパーツはは完成してしまうと隠れて見えなくなってしまいますが、 そんなパーツまでもセットされているのはある意味うれしいです。
実際の機体では座席にシートベルトがついていますが、普通のキットではあまり再現されておらず、再現したい場合は別売りパーツを使うことが多いです。 しかしこのキットでは、シールとエッチングパーツによるシートベルトが付属しているので、大変うれしいところです。
左:シートベルトのパーツ。エッチングパーツを切り出すときは、ナイフの腹を使うといいみたいです。 右:実際に組み上げたところ。これを座席に取り付けます。
左:ベルトを座席に取り付けたところ。 実際のベルトは革製なので、シールのツルツルのままではいかにもかっこ悪いです。 エナメル塗料で茶系の色をわざとムラになるように塗って質感を出しています。 右:完成した座席をコクピット後部隔壁に取り付けます。 実機では、座席のサスペンションとして、なんとゴムひもが使われていたそうです。 今回はそれを細いコードで再現しました。(席の後ろの白いコード)
零戦に限らず、コクピットというのはさまざまな計器や配線類が集中してとても煩雑になっています。 このキットは丁寧に仕上げるだけでその煩雑な感じを再現できるのですが、ここではさらに実感を高めるためにちょっと手を加えてみました。
細いコードを使い、配電盤などに配線をしてみました。 図書館から借りてきた図面を見ると、実機では電線や油圧、空気圧など相当な本数があるようですが、模型では再現に限界があるので、 目立つところだけ雰囲気重視でやってますww 配線の色もでっち上げですwww コクピットの部品がすべてそろいました。これをくみ上げれば完成です。
そろえた部品をそれぞれが干渉しないようにくみ上げ、ついにコクピット完成です。 やっと完成しました。コクピットの作業時間は塗料などの乾燥を含めないと大体15時間ぐらいです。 前部についているのは、青色のものが潤滑油タンク、銀色のものが燃料タンクです。 これらも機銃や酸素ボンベ同様機体に組み込むとほとんど見えなくなります。
携帯のカメラしかもってないのでピンボケ気味ですがご容赦くださいwww
組み上げると、配線したところがあまり目立たず残念です。
左:座席を取り外して計器板を見たところ。 恐らくパイロットにはこのように見えていたことでしょう。 ピンボケでごめんねwww 右:手のひらに乗るくらいの大きさです。 実は色々未知の作業もあってかなり難しかったですwww 次回はエンジンの予定です。 がんばります! 前へ 次へ