零戦21型を作る その3



今回はエンジン編です。
前回のコクピットに続き、このキットの見せ場のひとつである部分です。



前回と同じように、まずはパーツの状態を見ます。 パーツの状態を確認したら、今回は張り合わせるパーツがあるので、流し込み接着剤を利用し接着します。
左:パーツを切り出してゲートなどを処理します。 右:接着には流し込み接着剤を使用します。細かなディテールがあるので注意して作業します。
混合気吸気管(左)や排気管(右)もパーツ化されています。
パーツの下準備が終わったら、塗装に入ります。 塗り分ける部分があるので、塗りやすいようにマスキングの順番を考えながら作業します。
左:シリンダーパーツの塗装。 はじめに黒を塗り、マスキングテープとマスキング液を使いマスキングします。 右:グレーをぬりマスキングをはがした状態。 本来ならば塗料の隠ぺい力を考え、明るい色→暗い色と塗っていきますが、 今回はマスキング作業のやりやすさを優先し、黒→グレーとしています。 塗装が終わったらウォッシングを行います。 ウォッシングとは前回のコクピットでも使用しましたが、薄めたエナメル塗料を塗ったあと、 部分的に塗料を残しながらシンナーでふき取る技法のことで、汚れた感じや使い込んだ感じを出す手法です。 またシリンダー部にはドライブラシを施しています。 ドライブラシとは、塗料を含ませた筆をティッシュでふき取り、かすれた状態にしてからパーツにこすり付けるようにして塗る技法のことです。 エッジ部などに施すことにより、金属などの質感を出すことができます。
左:ウォッシングの図。筆で薄めた塗料を塗った状態です。この後生乾きぐらいのときにシンナーでふき取ります。 右:シリンダー部。この状態ではまだ写真右側のパーツにしかドライブラシを施していません。 左側のパーツや上の塗装しただけのパーツに比べてだいぶ実感が出たと思いますが、どうでしょうか?
すべてのパーツの塗装とウォッシングが終了しました。
左:エンジンパーツ。小スケールキットでは見られないパーツもついてるのがうれしいです。 右:一部のパーツを仮組みしてみました。 キットのパーツを用いて説明書どおりに作ると、ここでエンジンの作業は終了です。 このままでもかなり再現度は高いですが、ここではさらに追加工作をしてみることにします。 ガソリンエンジンは、ピストンで圧縮した混合気(気化したガソリンと空気を混ぜたもの)に電気火花で添加して爆発させることにより、動力を取り出します。 零戦のエンジンにもその火花を起こすための電気コードが着いていたのですが、今回のキットでは省略されています。 そこで今回は資料を見ながら、コードを追加工作してみることにします。
左:エンジン前部につくこの丸いパーツが、電気配線の基部となる部分です。 周りの出っ張りがちょうど配線がつく部分なので、ナイフで切り飛ばした後ドリルで穴を開けます。 右:配線には0.3mmと0.7mmのハンダを使います。少し長めに切り出しておきます。
左:パーツにあけた穴に、ハンダを差し込んで接着していきます。瞬間接着剤を使いますが、多すぎず少なすぎずの加減が難しいです。 右:細いハンダの接着が終わりました。本数は28本です。
左:シリンダー部にも穴を開けます。1気筒につき2箇所です。 右:丸パーツとシリンダーを組み合わせ、先ほど開けた穴にハンダを接着していきます。 ハンダは長めにとってあるので、長さを整えてから丸パーツ同様瞬間接着剤で接着します。 ピンセットで慎重に曲げながら作業します。 すべてのシリンダーに配線が終わりました。 あとはパーツをくみ上げれば完成です。
左:混合気吸気管や排気管などを接着していきます。この時に前の丸パーツから0.7mmの配管をエンジン補器に接着します。 右:空気取り入れ口や燃料気化器などのパーツもセットされているのがうれしいです。完成後はほぼ見えなくなりますwww なおこの写真を撮った後パーティングラインを消していないことに気づき、修正しました。
そしていよいよ完成です。
やっと完成しました。ウォッシングやドライブラシ、配線などによりだいぶリアリティが出たと思いますがどうでしょうか? 軸にスプラインが彫刻されているあたりとても心憎いです。
左:エンジン補器類もパーツ化されています。この部分は完成するとほとんど見えません。 右:前回作ったコクピットと組み合わせてみました。 大きさはこんなもんです。
次回は胴体の予定です。がんばります! 前へ 次へ